「バリアフリー住宅の目指すものは何か」
・人口減少高齢化社会の背景
特別養護老人ホームの入居基準が要介護3以上に上がり、今まで以上に入居が厳しくなりました。よりいっそう自宅介護の必要性が高まりつつあります。
快適に長く住み続けられるように、住宅の品質・性能を高めて建物を長持ちさせる長寿命化リフォームを目指します。
「高齢者や障害者が必要とする、バリアフリーはどのようなものか」
高齢者が必要とする主なバリアフリーとは高齢者の身体状況により、必要な住宅改修が異なってきます。
第一段階 | 足がすり足になってきて、何かにつかまっていないと移動や靴の脱ぎ履き、段差のまたぎ、トイレの立ち座りがしづらくなってくる。 |
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第二段階 | 誰かの手助けがないと立ち上がったり、移動したり、座ったりができなくなる。 |
第三段階 | 転んで、足の骨を骨折したり、脳梗塞などで半身麻痺になったりして、車椅子などでないと移動できない。自身で立ち座りや移動ができなくなる。 |
第四段階 | 自身で移動する意思がなくなり、ベッド上での生活を余儀なくされる。 |
◆第一段階
第一段階では、まず、主に移動するところ、玄関、廊下、トイレ、浴室に手すりなどの、つかまって移動できる所に改修が必要です。人によって身長が違いますので、身長に合った高さの位置、動作に十分力が入る位置に手摺が必要です。
それと、古い住宅では入口に敷居が立ち上がっている(2センチ~6センチ)ケースが多いです。小さい段差はつまづきやすいため、段差を無くす必要があります。
それと、転倒防止のため、床の材質を滑りにくいものに替える必要があります。
◆第二感階
第二感階では、床に近いところからの立ち座りが困難になってきます。
トイレを和式から洋式に変えたり、お風呂を介助のしやすい形や補助具を取り付けるなどの改修が必要になります。
また、扉が開き戸ですと、開くときに下がらないと開けれないなどの動作が困難になってきます。できれば引き戸に改修する事をお勧めします。
◆第三段階
第三段階になりますと、車椅子が通行できるように改修を行なわなければなりません。
したがって、玄関入口、住宅内入口の段差と幅を車椅子が通れるように改修が必要になります。(補助具で解消される場合があります。)
◆第四段階
第四段階になりますと、介助者の負担はずっと重くなります。
食事や入浴は全介助になりますので、専門の介護支援員と十分相談の上決定して下さい。移動や入浴はベット移動もしくはリクライニングシートとなり、移乗も2人以上の移乗となります。
想定される住宅改修はリクライニングシートが通る出入り口の改修、浴室は寝たまま入浴できる設備が必要になり、スペースも余分に必要になり、かなり高額な設備になりますので住居では現実的ではないと思われます。
どの段階まで、自宅に居られるかは介護福祉の専門の方に相談しないとわからないところがあります。しかし、本人の意思がしっかりしているうちは、自宅に居たいというのが本音だと思います。あとはご家族がどれだけフォローできるかによるでしょう。
「どのようなバリアフリー・リフォームがあるのか」
1.居室、階段、廊下のリフォーム
主に移動動作のある所中心のリフォームとなります。身体状況によりリフォームヶ所、高さ、開口幅、ドアの型などが違いますので、専門の方と十分打ち合わせの上、決定しましょう。
◎段差解消
- 敷居のまたぎ段差の解消―開口部の敷居が2㎝~4㎝のまたぎ段差がある部分の撤去を行います。福祉用具の傾斜材で補う事も出来ますが、敷居をフラットにする事で歩行や車いす移動がスムーズになる利点があります。
- 玄関の上がり部分に靴の脱ぎ履きの為の座る台を設置します。座りやすい高さに設定致しますので、靴の脱ぎ履きに腰を痛めることなく行えます。
◎屋内に手すりを設置
- 段差のあるところに登り降り用の手すりを設置します。高齢になると少しの段差でも辛くなりますので、壁につかまるところが有ると安心して登り降りができます。
- 移動途中に手すりを設置します。すり足で歩くようになると、つかみやすい手すりがあると安心して歩行できます。
◎ドアを引き戸に変更
- 開きドアは開閉に前後の大きな動きが必要になります。引き戸にすると、開閉で大きな動作をすることなく開閉しやすくなり、車いすでの開閉も下がったりする事なくスムーズに通過しやすくなります。
2.浴室のリフォーム
浴室は移動段差が多く、水が流れますので滑りやすく危険です。住宅内の事故で一番多いのが浴室とも言われていますので、身体状態に合わせたリフォームが必要です。
◎手すりを付ける
- 浴室は移動段差の多い部屋です。入室前後、浴槽に入浴前後に手摺が必要です。身体状態により高さと位置が違ってきます、また、壁の構造により手すりの止め方が違いますので、専門の人に見てもらいながら設置場所を決めましょう。これにより、滑りやすい床で安心して入浴ができるようになります。
◎段差解消
- 最近のユニットバスはほとんどが入口に段差のないものになりました。しかし一昔前のお風呂は水はけのため2㎝~15㎝の程度の段差が有ります。簡単なのは、すのこ を設置することです、しかし車いすなどで入浴する場合はコンクリートで段差を埋め、高さを揃える工事が必要です。その際、浴槽のまたぎが低くなりますので、浴槽の高さも上げる工事が連動して必要になりますので、少々規模が大きくなります。これにより、入室の出入りがスムーズになります。
◎浴室スペースを広げる
- 従来の浴室ですと、0.75坪で自由に動ける方が使う分には問題ありませんが車いすで入室して、入浴を行うとなると、ある程度のスペースが必要になります。
特に出入り口は狭いため引き戸にし、敷居もフラットで、洗い場で介助する人が立てるスペースが必要になってくるケースがあります。そういった場合は規模がさらに大きくなります。 - 浴槽に関しましては、普及されているユニットバスのタイプですと、背もたれが傾斜になっていて、足が伸ばせるタイプが多いです。しかしご自分で入浴がむずかしい方は足が伸ばせると浴槽内でひっくりかえる恐れがありますので、少し足が曲げられる長さの浴槽が必要になります(1,100 ㎜~1,300 ㎜)。それと浴槽のヘリをつかまると入りやすいです。(洗い場からのまたぎ高さ400 ㎜)そういったユニットバスは見当たらないので、浴槽部分を制作する必要があります。
3.トイレのリフォーム
トイレは使用頻度が最も高いヶ所と言えるでしょう。身体状況によりリフォームの方法が異なりますので、専門の方と十分検討しましょう。就寝時のトイレはポータブルトイレがおすすめになるでしょう。
◎手すりを付ける
- 立ち座りの手すり―まず、トイレのリフォームで最初に必要になるリフォームです。この手すりは必須です。手すりが有るだけで、立ち座りに安心感がもてます。
様々なタイプがありますので、専門の方とご相談の上決定して下さい。 - 出入り口の手すり―出入口につかまる所があると安心します。
◎和式トイレを洋式トイレに変更
- 身体状況が衰えてくるとしゃがんで用を足すことが大変になってきます。洋式は立ち座りがしやすいので、現在のトイレのスタンダードです。
トイレの入れ替えになるケースがありますので、工事規模としては大きい方です。
◎トイレの介助スペースの確保
- 身体状況によりご自分で用を足せなくなった場合、介助により手伝ってもらわなくてはなりません。その際は車いすでトイレまで移動し、介助用のスペースと開口幅が必要になります。従来の畳1 畳程度のスペースでは、狭い為、1.5帖以上のトイレスペースが必要になりますので、工事規模が大きくなります。その為専門の方と十分検討の上決定して下さい。
4.玄関廻りのリフォーム
玄関の入口も段差の多いヶ所ですので、それを解消する必要があります。福祉用具で解消されるケースもございます。それにより工事規模が大幅に違いますので、専門の方と十分検討して下さい。
◎屋外階段に手すりを付ける
- 玄関進入口の階段は壁などがないケースがあり、捕まる所があると安心して出入りできますので、バリアフリー工事としてはスタンダードです。天候に耐えられる使用となっていますので、内部用よりは高額です。ご自身で歩ける方はこの工事でまかなえるでしょう。
◎玄関の外の階段をスロープにする
移動手段が車いすになると必須のリフォームです。
- 段差がそれ程高くない場合は福祉用具でカバーできます。持ち運びが出来でそれほど重くない物を選びましょう。長さもまちまちなので専門の方に相談して決めましょう。
- 玄関までの高さが高い場合や頻繁に車いすで出入りする場合は工事で備え付けを行います。急に工事費が高額になります。ご自分で登るケースと介助で登るケースですと傾斜角が違いますので、専門の方と十分後検討のうえ決定して下さい。
我が社の特徴
我が社は、地域包括支援センターと連携をとり、介護支援を必要とされる方が最も生活しやすい生活環境を提案いたします。
我が社は特別養護老人ホームでの就労経験を基に、介護される側、介護する側に寄り添ったバリアフリー・リフォームをご提案いたします。
リフォーム後ご希望の方には介助方法のご指導をさせていただきます。
主なバリアフリー・リフォーム 工事費の目安
※ここにあげる工事費はあくまで目安です。ケースにより多少工事費に違いが生じますので、工事前には必ず見積書の提出をいたします。
1.居室、階段、廊下のリフォーム
段差解消 | 2.5万円~5万円 | 施工日数 1.5日程度 |
屋内に手すりを設置 | 1万円~20万円度 | 施工日数 0.5~2日程度 |
ドアを引き戸に変更 | 箇所 10万円~13万円程度 | 施工日数 1日程度 |
2.浴室のリフォーム
手すりを付ける | 1.5万円~5万円程度 | 施工日数 0.5~1日程度 |
段差解消 | 25万円程度 | 施工日数 3日程 |
浴室スペースを広げる | 80万円~150万円程度(浴室の仕様により異なる) | 施工日数 6~7日 |
3.トイレのリフォーム
手すりを付ける | 1.5万円~5万円程度 | 施工日数 0.5~1日程度 |
和式トイレを洋式トイレに替える | 40万円程度(便器の仕様により異なる) | 施工日数 3日程 |
4.玄関廻りのリフォーム
屋外階段に手すりを付ける | 5万円~10万円程度 | 施工日数 1日程度 |
玄関の外の階段をスロープにする | 45万円程度 | 施工日数 7日程度 |
※居宅介護住宅改修費の支給制度について
居宅介護住宅改修費の支給限度額は要介護区分にかかわらず、定額20万円です。また、介護予防住宅改修費の支給限度額も、同額の20万円です。
つまり、住宅改修費用20万円までに対して支給申請することが可能で、その9割(18万円)が保険によって支給され、1割(2万円)が自己負担となります。また、20万円を超えた場合は、保険によって支給される18万円を超えた金額すべてが自己負担となります。
まずはご相談ください
バリアフリーリフォーム、各種制度利用のリフォームについて、ご相談を承っております。
まずは下記フォームからお気軽にご相談ください。
電話でのお問い合わせも承っております。
お問い合わせは TEL 01586-8-7787 へご連絡ください。