■“マイホーム購入で失敗しない5つの秘訣”■
“マイホーム購入で失敗しない5つの秘訣”と題しまして、
マイホーム購入する際の秘訣を数回にわたってお伝えしています。
(参考資料:人生変わる「安くて良い家」中古住宅の選び方がわかる本)
秘訣① 予算について
第1回目は予算についてです。
とある意識調査で“家を建てるとき詳しく知りたい情報は?”で1位「建築価格の目安」5位「ローン(返済)シュミレーション」とあり、価格、予算について意識が高い事がうかがえます。(何といっても安い買い物ではないですからね。)
ちなみに、新築と中古の戸建ての平均成約価格の差は東日本不動産流通機構のデータ(首都圏)で500万円以上らしいです。
ここまで、差があると、新築では予算が原因であきらめていた立地や広さ、1ランク上のキッチンなどの希望条件も中古物件で手が届きそうな範囲にくるでしょう。
新築物件と中古物件でもみくらべてみたいと思います。
3ステップでできる失敗しない予算の組み方
【STEP1】 まず諸費用を足して費用総額を把握する。
~同程度の想定物件~
新 築 物 件 |
物件価格(土地代共)2,500万円+諸費用(5~7%)175万円前後=2,675万円前後 |
主な諸費用:仲介手数料(土地分)(※)、融資手数料、住宅ローン保証料、火災保険料、登録免許税、司法書士報酬、抵当権設定費用、団体信用生命保険料、中間資金の金利、印紙税(不動産売買契約、ローン契約、請負契約)、証紙代、保証料、事務手数料、引っ越し費用、家具、カーテン代、地鎮祭、上棟式費用など、瑕疵(かし)保険費用。 |
※建売住宅の場合は土地の仲介手数料は発生しません。
中 古 物 件 |
物件価格(土地代共)2,000万円+諸費用(7~10%)200万円前後=2,200万円前後 |
主な諸費用:新築にかかる諸費用+仲介手数料(※)、固定資産税等清算金、印紙税(不動産売買契約、ローン契約、請負契約)、既存住宅瑕疵(かし)保険費用。 |
※中古物件は新築に比べて仲介手数料がある分諸経費が高くなります。(物件価格×3%+6万円)
【STEP2】 借入金と頭金のバランスを決める
■POINT■
●借入金は物件価格の80%を上限とするのが理想
●なるべく頭金は多く借入金はなるべく早く返すのも鉄則
理想として、借入金と頭金のバランスは8:2を目安に。
借入金がこの比率を上回ると、返済負担は長期化、あるいは高額になるのでなるべく頭金を増やそう。なお、諸費用は頭金のほかにプラスしておくことを忘れずに。
借入金【物件価格の80%】+頭金(自己資金+援助金)【物件価格の20%】+諸費用【物件価格の10%前後】
例)
新築物件:物件価格 2,500万円の場合
借入金【2,000万円】+頭金【500万円】+諸費用【175万円】
(2,500×0.8) +(2,500×0.2)+(STEP1の金額)
中古物件:物件価格 2,000万円の場合
借入金【1,600万円】+頭金【400万円】+諸費用【200万円】
(2,000×0.8) +(2,000×0.2)+(STEP1の金額)
借入額にだいぶ差がでてきましたね。
借入割合が多ければ、金利額も増えます、そのほかに生活にかかってくる大きな買い物にも備えなければいけません。
子供の進学費、自動車の買い替え、家電製品の購入、旅行など・・・etc.
【STEP3】 いくらの物件を買うか予算を出す。
■POINT■ 妥当な物件価格は以下の計算でわかる!
CHECK1 年収から毎月負担できる住居費を算出
あなたの年収 × 年収負担率 ÷ 12カ月 = 1ヶ月の住居費用
【350万円】 × 【25%】 ÷ 12ヶ月 = 【7万2,916円】
※年収:税込でO.K。将来昇給の見込みがる人も、現時点での年収で計算すること。
※年収負担率:年収に対する住居費の割合を計算。ここではひとつの目安として25%に設定
CHECK! 年収負担率は収入によって異なる
年収負担率は収入が小さい人ほど下げるのが鉄則。また子供の人数が多い場合も負担率は低くしておく。
CHECK2 維持費を差し引いてローンの返済額を出す
1ヶ月の住居費用のなかから、改修やメンテナンスなどの維持費を差し引き、ローン返済できる額を計算。
1ヶ月の住居費用 ― 維持費用 = 1ヶ月あたりのローン返済額
【7万2,916円】― 【1万5,000円】 =【5万7,916円】
※維持費用:屋根や外壁の改修工事など戸建ての維持費は想像以上にかかる。この金額を毎月の積立額の一つの基準に
※1ヶ月あたりのローン返済額:住居費に充当できる家計のうち、維持費を差し引いたこの金額がローン返済に回せるお金。ローン返済額はこの金額を上限に
CHECK3 いくら借りるのが妥当かを知る
1ヶ月あたりのローン返済額÷100万円あたりの返済額×100万円=妥当な借入額
【5万7,916円】÷【3,062円】×100万円=【1,891万円】
※1ヶ月あたりのローン返済額:「毎月いくら返せるか」を示すこの金額から、無理のない借入額を計算。「借りられるお金の上限」ではないので注意。
※100万円あたりの返済額:(金利1.5%、借入期間35年の場合)100万円あたりいくら返せばいいのかという数値から、妥当な借入額を算出する
※妥当な借入額:金利1.5%だとして、1ヶ月7万8,750円という返済額を35年で完済する場合、借入額はこの金額。この数値が借入額の上限目安。
CHECK4 自己資金を足して購入費用を算出する。
次に頭金や諸費用を踏まえて、いくらの物件を購入すればいいのか算出
妥当な借入額 + 頭金 ÷ 諸経費= 妥当な物件価格
【1,891万円】 + 【400万円】÷ 【1.1】=【2,082万円】
※頭金:自己資金に加えて親からの援助金がある場合はここに足す。最低3ヶ月分の生活費は差し引いておく
※諸経費:STEP2での諸経費
※妥当な物件価格:年収、年収負担率、ローン返済期間や頭金などの諸条件をもとに算出した物件価格の目安。予算の参考に
しかし、私が知る限り、こういった内容でローンを組まれている方は少ないです。ほとんどの人がもっと無理をしてローンを組んでいるのが現状です。
しかも、最近の金融機関は10割融資がほとんどのようです。返済負担率が25~40%これを限界まで借りて、ボーナス併用35年のローンを組む・・・
そんなローンの組み方、私は異常だと警告いたします!
新築物件で、妥当な物件価格が3,000万円に近いと収入が高くて、年収負担率も高くなります。逆に中古物件+リノベーションで費用を1,500万円位におさえると、収入や返済負担率がもっと楽になります。
ここに上げた事例はあくまで、こちらで想定した方での算出です。
自分の場合は、どうなんだろう?とわかる範囲で当てはめてみて下さい。
その時や銀行の金利の動向、期間によっても違ってきます。
それでも自分では算出できないといった場合は、お近くの借入予定の“金融機関”でも教えてくれますが、金融機関はあなたが借りられる額は教えてくれますが、今後の生活にゆとりをもった事まで考えたプランは提案されないと思います。
したがってお勧めなのは“ファイナンシャルプランナー”か“住宅ローンアドバイザー”ですね。